2012年11月06日

曲水の宴

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先日の土曜日に、
城南宮の「曲水の宴」を観に行ってきました。

平安の庭の遣水のほとりで行われるこの宴は、
年に二回、春と秋のうららかな季節に行われます。

美しい琴の調べと鳥の声が聞こえるお庭で、
鮮やかな平安貴族の装束に身を包んだ歌人たちが水の傍らに座り、
その日のお題にちなんだ和歌を短冊にしたため、
川上から流れてくる羽觴(うしょう)というおしどりの形をした
桧(ひのき)材の盃台に乗せたお神酒を引き寄せて頂くという、、、
なんとも優雅な昔のセレブの遊びです。

春にも観に来た事があるのですが、この日の庭内には
秋の植物のツワブキや少し色づき始めた楓が見られ、
乾いた葉が重なる音も耳に心地よく、
この季節にしかない美しさに包まれていました。

水で身を清める春の禊が由来になっている事もあり、
宴のあとは有料で一般の人が遣水に人形を流すお清めをさせてもらえます。

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この人形を左胸、右胸、そしてもう一度左胸に当てて、
最後に息をふっと吹きかけ、水に流し、穢れを払います。

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この日は曲水の宴が行われた平安の庭はじめ、
神苑内のお庭が無料公開されていて、
中では曲水の宴にまつわる資料や屏風の特別公開(撮影禁止)があり、
こちらは有料ですがせっかくなので行ってみる事に。

そこに、京都御所の曲水の宴のようすを描いた屏風がありました。
作者は吉田元陳(よしだげんちん)という
江戸時代中紀に御所造営の際円山応挙と共に活躍した絵師で、
1777年以降の作とされています。

曲水の宴は元々は中国から伝わり、
長い間宮中の年中行事として行われていましたが
後に途絶えがちになり、現在行われている曲水の宴は
故事に基づいて近代以降に始められたそうです。

解説員のお兄さんが言ってたのですが
その屏風も、当時失われつつある朝廷文化を見直そうという動きから
描かれたもので、その為に時代考証もしっかりと行われたそう。

それを聞くと、江戸時代の人たちが平安時代の人たちの文化に憧れて、
色々必死に調べて形に残そうとした、という事が興味深くて。

で、その時代考証をしっかりして描かれた絵がどんな絵かというと、

歌を詠む貴族が沢山居て、
う〜ん、と考え中という顔のひともいれば
ふ〜ん、と人のを覗いてるひともいます。

お酒も沢山飲んで、会話が聞こえてきそうな
とても和やかな雰囲気。楽しそやなー。

それもそのはず、盃を乗せた羽觴(おしどりを模した盃台)
がばんばん上流から来てて、わんこそば状態です。(笑)

しかも気になったのは、絵の中の羽觴、
本物のおしどりっぽい、、?
羽の模様も微妙に違うし羽を拡げてるのもいる。
もしかして昔の人は、本物の鳥の背中のふかふかのとこに
盃のせてたんかな!?

気になったので解説員のお兄さんに聞いてみると、
絵の中に描かれているのも今日見たものと同じで
本物ではなく作り物の羽觴との事。

それを聞いてもなお、本物の鳥ちゃうか・・と疑っている私は
家に帰ってネットで調べましたがそんな説は見つからず。

元陳さんが、描いてるうちに鳥描くのにハマって
リアルに描きすぎたとか?

このように私は
作者がもの言わぬ昔に描かれた絵を見たり、
「〜、と言われている」という解説に対して
「いや、ホンマはこうやったと思うで。」と
勝手な想像する事が、よくあります。(笑)

これも私の絵の楽しみ方のひとつです。








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2012年07月17日

今年も見た

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本日17日は山鉾巡行。
昨年と同じく御池通北側に立って観て来ました。

また今日もすんごいお天気でした。(笑)
今年の祇園祭は本当に天候に恵まれていますね。
今日は暑かったけど風があったので、まだ過ごしやすかったです。
っていっても3時間立ちっぱはキツかったので、
ペットボトル2本飲み物がぶ飲みして、
見終わったら急いでざる蕎麦食べに行きました。

上の写真は鶏鉾。
私は鉾を側面から見るのが好きです♪

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こちらは浄妙山。ご朱印帖の山鉾イラストの中で
簡略化するのに一番苦労した山で、
結果その絵が一番お気に入りになった山。(笑)

合戦の1シーンを切り取った2体の御神体は
今にも動き出しそうで、このバランス感はすごいです。

今年はご朱印帖のおかげで山の魅力を沢山知ったので、
最初から最後まですべての山鉾巡行を堪能しました。

来年はまたさらに知識を深め、
年々新しい発見をしながら祇園祭を楽しみたいです。







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2012年07月16日

乙女のご朱印帖日記A

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16日月曜日は「祇園祭で山鉾めぐり 乙女のご朱印帖
第二ラウンド!

お昼から街へ出て、その時ちょうど
鯉山に来ていた友達から連絡があったので
炎天下の中一緒に巡ってきました。
(暑すぎて、人も三日間で一番多かったので
一人やったら正直くじけてたかも。。ありがとうYちゃん!)

友人も、一緒に押してまわりたいと言ってくれたので、
先に株式会社フィールドさん前の販売所へ寄りました。

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↑こちらのフィールドのデザイナーさんお手製のオリジナル朱印。
皆さんにとっても好評でした!

彫刻刀とか刃物のたぐいの扱いがへたくそな私にとって、
消しゴムハンコが上手い人は本当に尊敬してしまいます。
(持ち手がちゃんと「乙女」仕様になっている所に
感動したあなたは「乙女」です♪)

この日は長女ゆりこの四条烏丸西エリアを中心にまわりました。

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四条傘鉾の提灯のマークは、笑っているみたいでかわいい。


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こちらは芦刈山。日差しがどんどん強くなってきて皆暑そう!

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芦刈山の御神体衣装『綾地締切蝶牡丹片身替小袖』は
山鉾最古のもので、1589年天正17年の銘があるとのこと(!)。
そんな前のものとは信じられない。驚くほど綺麗でした。


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太子山の会所は歴史ある京町家の秦家住宅。中は暗くて少しひんやり。


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近くのお家の朝顔は勢いよく蔓をのばしていました。


そしてついに!無事三枚制覇☆

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ご朱印帖の販売所へ行った時などに、
このご朱印帖を手に取ってくれたお客さんが
「これって全部集めたら何か貰えるんですか?」
と言われているのを何度か耳にしました。

お店のスタンプカードとは違いますので、
朱印は全て集めたからといって
何か景品が貰える訳ではありません。

でも、私ちゃんと貰いましたよ!
この「達成感」と「幸福感」。

なんともいえない幸せを感じるのは、
各会所の神様に頂いたご利益でしょうか。
ご朱印がひとつ増える度に満たされるものがあり、
何より思い出になりました。
初めてちゃんと、それぞれの山鉾のこと
知った気がします。

さいごに。
今回はご朱印メインで昼間を重点的に巡りました。
宵山やのに夜の写真が全然ない!という事で、
↓少しだけですが、夜に撮ったものを。

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やっぱり夜は、きれいですね。お囃子も聞けて最高でした。

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2012年07月15日

乙女のご朱印帖日記@

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ついに来ました♪
祇園祭で山鉾めぐり 乙女のご朱印帖」めぐり当日。
14日土曜日は「ことり会」メンバーでまわってきました。

今年は休日という事もあり夕刻には相当の人出が予想されるので
朝の10時にフィールドさんのあるヤサカ四条烏丸ビル前に集合して、
日の高いうちにまわれるだけまわってきました。

今年はじめてご朱印を集めながらの山鉾町めぐりを体験しましたが、
これはかなり楽しいです!

山鉾の懸装品が見られる「会所飾り」は
建物の中や路地の奥に展示されています。
以前はよくも分からず入っていって展示されている飾りを
「へえ〜ほお〜」とただただ見ていましたが、
今回、「ご朱印を貰う」という一つの目的を通す事で、
その各山鉾それぞれの魅力や由来の違いがよく分かるようになり、
会所をまわる毎に興味が増していくのを感じました。

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(↑船鉾のご朱印を押している小春さん
二つある船鉾のもうひとつの印は緑のスタンプ台を使いました。
場所によって朱印以外に黒印や青印を置いてはるところもあります。)

各山鉾の象徴するものが表されていたり、
デザインも違うので、各ご朱印を押すことで訪れた場所の記憶が刻印され、
ご朱印帖を後で見返した時に「ここのご神体は迫力がすごかったなあ」
とか「そうそう、この動物が飾りの中にあったなあ」とか思い出すんです。

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(↑蟷螂山のおみくじひいてるわたし。ハンドルを回すと
かまきりのからくり人形が番号のついた玉を運んでくれます。
小春さんのブログより写真を拝借しました。おみくじの結果は
小春さんブログに載っています♪)

この日は浴衣&下駄、左手かばんに右手ご朱印帖で
写真を全然撮れていなかったのですが、逆に良かったように思います。
目的をシンプルに遂行する事でよりわかるものがあったからです。

当日は以前facebookでイラスト作品を取り上げて頂いた
Kyoto Fan」さんに取材をして頂き、スタートから
数時間の間ご朱印を集める様子を撮影していただきました。
「Kyoto Fan」さんのページで後日写真がみられると思いますので、
そちらアップされましたらまたお知らせさせていただきますね☆

この日コンプリートできたのは
次女はすみ担当の「四条烏丸北エリア」!

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一面が埋まるとかなり達成感があります☆

今日は下駄で歩き回った足と熱のこもった体をクールダウンさせて、
明日16日に、も一度町へ出て他の2冊を完成させる予定。

日中はたいへん蒸し暑くなっています。
ご朱印めぐりをされる皆さん、一気に集めようと無理は禁物です!
明日ご朱印帖めぐりされる方、明後日巡行観に行く方は
途中休憩を挟んだり、かき氷などを食べて体を冷やすなど
熱中症にならないよう十分に気をつけて祇園祭を楽しんでくださいね。








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2012年07月11日

鉾立ての様子

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昨日より、各鉾の鉾立てが始まりました。

上の写真は本日11日の午前10時ごろ、
仕事の打ち合わせ前に函谷鉾の鉾立てを見物してきました。
真木立ての準備中。
(残念ながら仕事の時間になり真木が立つところは
見れませんでしたが、後で乙女のご朱印帖のツイッター
見ることができました!)


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(こちらは菊水鉾の大きな大きな車輪。)

町は祇園祭りの雰囲気が日に日に高まってきています。

宵山までもうすぐです。

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2012年05月20日

今年の葵祭

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先週16日に行われました葵祭。(アップが遅くなりすみません)
今年は15日があいにくの雨で、16日に延期でした。

でも、私は15日に仕事の打ち合わせが入ってましたので、
延期したおかげで観に行くことができました♪

今年は行列が下鴨神社から上賀茂神社へ向かう所を観に行きました。

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北大路橋を渡り、御薗橋を目指して鴨川沿いを歩いていた時、
めっちゃ早歩きのおじさんが私に話しかけて来て、
「一の鳥居と二の鳥居の間を馬が走るから、それを観に行くんや」
みたいな事を繰り返し話したので、なんかおっちゃん詳しそうやな思って
後ろから密かについていく事にしました。

御薗橋を渡ると上賀茂神社は目前。
途中少し道が細くなるので、行列の中に居る
馬や牛に注意して下さい!車道に出ないで!と
警察の方に怒られる人もいて空気が少し緊迫気味。

そこでオドオドして、おっちゃんを見失いました!

正面からは入場が禁止されている為、
係の人の指示に従い一の鳥居の左側から駐車場の方に回り、中へ。
すると二の鳥居の近くの芝生の所へ出ました。

少し経つと、行列が進んできて
順番に本殿へ入って行かれました。

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神馬もおつとめを終え、神馬舎へ帰ります。

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そして無事、斎王代が歩いて本殿へ入られました。

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この後、中で「社頭の儀」が行われたのち、
「走馬の儀」で一の鳥居と二の鳥居の間を馬が駆けぬける。
これがおっちゃんの言ってた見所のようです。

ですがあと一時間後くらいに始まるらしく、
そろそろ帰らないといけない時間になり帰路へ。

一日かけて行われる行事なので、場所や時間を変えて
毎年、ひとつづつじっくり観て行こうと思います。

来年はスタートの御所近くか、下鴨神社、上賀茂神社のどちらかの
「社頭の儀」を有料拝観席で観てみたいです。


おまけ

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北大路橋の上で何人かのひとが鴨川を見下ろして何か言ってたので
見てみたら、大蛇が川を北上していました(!)
話によるともう一匹茂みに隠れていて、つがいのようです。

蛇は神様の使いと言われますし、きっと
この日に行われた今年の葵祭の吉兆を表しているものと思われます。







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